ペットショップに行くとかわいい犬が出迎えてくれて、あたかもおうちに連れて帰ってと言っているようです。無条件にかわいくて、抱かせてもらうと飼ってみたい気持ちが芽生え、でも死んでしまったらかわいそうと迷いが生じるかと思います。愛情深いあなただから、冷静に判断してほしくて、初めて犬を飼い始める方に検討してほしい内容を記します。
犬を飼うにあたって
①住んでいるお住まいはペットを飼ってよい家ですか？
ペット可と記載があっても、「大型犬は不可」や「1頭まで」と条件がある場合があります。事前に不動産会社に確認が必要です。
②散歩に行ける時間をつくれますか？
散歩は太りすぎにならないように適度な運動が必要です。犬も家にずっといると出かけたいと散歩をしたがるでしょう。ストレス解消のためにも、散歩が必要です。
心身ともに犬の健康を維持するため、仕事に行く前後で散歩に行く時間がつくれるかどうか、考えてください。
③お金がかかります。
初期費用として、犬の住環境を整えるお金、毎年かかる狂犬病予防接種費用、ワクチン接種費用、ノミ・マダニ、フィラリア予防薬の費用、ドッグフード代やおやつ代が必要です。去勢や避妊手術代など将来を見据えた費用も別途必要になる可能性があります。病気をした場合には治療費などがかかる可能性があります。
④しつけを含めたお世話ができますか？
どんなにかわいい犬も、ウンチやおしっこはします。排泄物の処理は必要です。
最初は、部屋のものを噛み散らかしたり、壊したりします。トイレシートですることを学習するまでは床でウンチやおしっこをしたり、家のドアチャイムで吠えたりします。根気強くしつけを行う必要があります。
⑤犬の生涯に責任を持ち、飼えますか？
犬の一生涯、面倒を見る必要があります。引っ越しや転勤を理由に手放すことはできません。
もし、自分が面倒みれなくなるようなリスクがあるのであれば、代わりに飼ってくれる人を見つけておいてください。天寿を全うすれば、10年以上面倒を見る必要があります。
殺処分・飼育放棄の現状
2020年4月～2021年3月1年間の環境省発表の犬の殺処分件数は、成犬で3,253頭、仔犬で806頭、犬だけで合計4,059頭が殺処分されています。
また、年間27,635頭の犬が飼い主の飼育放棄や所有者不明の迷子犬として、引き取られています。
※環境省 統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」令和2年度より
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
飼い主からの動物愛護センターへの持ち込み理由は、「引っ越すから」「子供がアレルギーだから」「高齢になり、面倒を見られなくなった」「ペットが病気になった」「ペットが高齢になった」「トイレを覚えない」「鳴き声がうるさい」「かわいくない」「子供が飽きた」「うんちが触れない」
https://www.eva.or.jp/data
ペットをこれから飼う方へ
ペットを飼うと、かわいさに癒され、あなたを幸せな気持ちにしてくれることだと思います。
幸せな気持ちにしてくれるペットを幸せな気持ちにさせてあげてほしいと切に願います。
「あぁ、この飼い主と一緒に過ごせて幸せだったな」「家族の一員として大切にしてくれたなぁ」とペットが思えるように愛情深くペットとの過ごす時間を大切にしてもらえれば、ペットも飼い主に対して、愛情を注いでくれることと思います。
ぜひ、ペットを飼う幸せを感じてほしいと思います。一方で理不尽な理由で捨てられるペットがいるのも実情です。例えば、あなたが大切な人に見放され、家を追い出されたら…。車で連れられて、知らない山に放り出されたら…。飼育放棄するということは、犬にとっても、同じことだと思います。犬が頼れるのはあなたしかいません。
勢いだけで買うのではなく、冷静に判断して飼うことを決めてほしいと思います。
飼うと決めたら、おもいきりかわいがって、面倒を見てあげてほしいです。
きっと思いやりのあるあなたなら、飼うことも飼わないことも決めることができると思います。
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